『落日に寄せて』

 

 

「夏の朝、白い肌着でタオルケットの中から顔を出す日のことを思う。カーテンの隙間から太陽が差し込んで、肌がべたつくような朝のこと。

 

あなたみたいになれたらよかった。通り雨みたいな人、天気雨みたいな人。憂鬱を吹き飛ばすような、少しにやけてしまうような湿気を纏った人。

 

何かに憧れるもんじゃない。ライトなんか浴びるもんじゃない。こっちの方がラクでいいよ。傍観者はタダより安い。

 

強いお酒なんて嫌いだった。煙草の煙なんて御免だった。眉間に皺を寄せて眺めてた。私は傍観者だった。

 

左様ならば、お元気で。家路に並ぶ街灯下より。」