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夏の夜、冬の朝

正直者はバカをみない

『まち』

 

 

「ぜんぜんしらないところでいきたい 全然知らないところに行きたい 近所にはスーパーと薬局とレンタルビデオ屋があるところに住みたい パン屋もあったら嬉しい 古本屋もあったらもっと嬉しい 走る車は少なくて 犬を飼う家も少なくて 街灯は少なくないところがいい それなりに綺麗な海があるといい それなりに大きい山があるといい 豊かじゃなくても自然があるといい 花壇とか針葉樹とか そういうつくられた自然でもいい 賑やかじゃなくていい 華やかじゃなくていい お茶できる知人が2人くらいいてもいい 古風な文房具屋があってもいい なにもかも浪費しすぎない仕事 あらゆる暴力をふるわない人間 忙しないのは御免だ テレビはいらない インターネットも特に 電話は必要なときだけ 毎朝7時に起きて コーヒーを飲んで 新聞を読んで 休みの日は掃除 ラジオを聞きながら洗濯機を回す スーパーで買い物 薬局で洗剤 レンタルビデオ屋で映画を2本 映画を観ながら洗濯物をたたんで ラジオを聞きながら晩ご飯 お風呂に浸かって 布団で眠る つまらないことなんてない ぜんぜんしらないところでいきたい」