為し

 

 

喉頭炎になった。いわゆる声を出す仕事をしているので当たり前といえば当たり前だ。3日くらい前から声がかすれてきて、次の日には既に声が出なくなっていた。

 

「なるべく通院して、吸入を受けてくださいね」と額の皺が多い医者が言う。はあ、と喉から声を絞り出すと「難しいよね、出来る限りでいいから」と微笑まれた。

 

 

 

曖昧なことばっかりだな。今の仕事は春になったら辞めることが決まった。決まったはいいけど、まだ冬だ。残りの3ヶ月近くは、このもやもやが続くんだろう。

 

「来年やることになるから」「経験しておいてほしい」言葉が宙に浮いていくのが分かる。だって彼女たちが想像しているその頃には、私はもうここにいないんだ。

 

優しい人たちが、私がいなくなったらどんな顔するかを想像する。でもきっと大したことじゃない。ああ、いなくなったんだな、って、それだけなんだろうな。

 

 

 

前髪をなんとなく伸ばしているけど、どんどん老けるな。元々実年齢より7、8歳は上に見られる。変わりたいと地団駄踏んでるくせに、留まっていたいみたいだ。

 

インターネットでは答えなんて見つからない。日頃から行動有るのみと思い続けているけど、思い続けてるだけなんじゃないか。そう思うと、すごく哀しくなるよ。

 

会いたい人に会えなくなったりして、でも仕方ないなって割り切ったりして、今日もなんとなく過ぎていくんだ。そう願ってるのか願ってないのかは、分からない。

 

 

 

心を還して、もう眠ろう

 

 

友人に恋人が出来た。「恋人が出来る」って、なんかヘンな言葉だよなあなんて思いながら、出会いの経緯を聞き出していた。こうでなきゃ、ああでなきゃ、っていう思考は、恋愛には付きものらしい。それが必要かどうかは別だけど。全然必要ないよって笑える人でありたい。

 

私も彼のことを考えた。会う時間はかなり少ないし、連絡もほとんど取らない。それでも選びたいと思う。これからに纏わる全てのこと。分からないことだらけで、不安だらけで、良いことばかりじゃないだろうけど、私に任せてよ。

 

 

 

要らないものが増えてきて、捨てるものが多い。身軽な方が動きやすいなんてことは分かり切っているし、あまり試行錯誤したくない。そんなのは野暮だ。インターネットに生きるのは疲れる。携帯電話はなるべく鳴らない方がいい。好きなものの写真は何枚だって撮りたいし、好きな人とは何度でも連絡を取りたいけど、その時々に必要な分がいい。わざわざ創り出す必要もない。

 

 

 

それから最近気付いたことだけど、私は遠出するのが好きらしい。旅行といってもいい。バスも電車も好きだ。朝でも夜でもいい。小さな箱の中で流れていく窓の外を見てると、「どこにだって行けるんだ」と思う。地下鉄と飛行機も一瞬だけど好きだ。行く場所に会いたい人がいるなら尚更良い。

 

あと、手紙も好きだ。メッセージカードも。書くことが好きだ。自分の字はあまり好きじゃないけど、好きになりたいと思ってる。その人に向けて便箋や封筒、カードや封をするものを選んで、時間を掛けて言葉を紡ぐのが好きだ。だから多分、好きな人にしか出来ない。好きな人だから、出来る。「こんなこと書いたら」なんて思考は、きっと要らないんだと思う。

 

 

 

捨てるものが増えたけど、大切にしたいものも増えた。剪定しているような気持ち。こうして少しずつ、進んでいけるのかもしれない。悩むことばかりを選んできたけど、好きなようにしてみたっていいよ、と最近は思える。「あなたらしいね」と笑われることが増えたのは、それが理由なのかもしれない。

 

 

 

なんだか支離滅裂になったね。まだまだ。

 

 

 

 

37.0℃

 

 

みんな孤独だ。でもそれがいいし、それでいい。

 

勉強したり、掃除したり、料理したり、ああ、孤独でよかったと思う瞬間。もちろんそれが嫌になることだってあって、でも孤独があってこその自分自身で。誰と連絡とってもとらなくても、誰と愛し合っても合わなくても、どっちも捨てがたい。それでいい。

 

一日を生きるのに必死になってるのかもしれない。あんなに指折り数えてた毎日も、すっかり無くなってしまった。でも熱は無くなってないよ。ずっと、静かに、燃え続けている。

 

手紙を書いた。本当はもっと言葉にしたいことがあるのかもしれないけど、そんなことは割とどうだっていい。書きたいから書いた。物足りないくらいがちょうどいいのかもしれない。

 

会いたい人がたくさんいるのに言い訳をするのはもったいない。そんなのは野暮だ。早く会おうね、会いたいね。そう言ってにこにこしていられたらどんなに素敵か。そして本当に会えたらどんなに嬉しいか。考えて、思い出して。

 

愛だの恋だのやかましいな。幸せだよ。これから先ずっと。

 

 

 

 

 

spray

 

 

 早朝5時にテキスト読み込んでブルーライトに照らされていると、すべてのことから救われるような気がするんだ。

 

 兄が結婚することになった。そんな吉報をぶち壊したのも、現在進行形で家族をぶち壊しているのも、全部私だ。

 

 「本当にやりたいなら、そんなことにならないはずだよ」って、みんな口では言う。口では言うけどさあ、じゃあ私の不安は誰が拾ってくれるのよ。これから先の不安のことだよ。住む場所は見つからないかもしれないし、恋人に捨てられるかもしれないし、一文無しになるかもしれないし、電車に轢かれるかもしれない。そんな不安を掬ってくれようともしないあなたたちに、私の未来の選択を委ねるわけにいかないのよ。それに比べて、私は私を救ってあげられるのよ。わかってよ、ねえ。

 

 涙流しすぎて干からびたな。どこもかしこもかさついて、何かを欲してんだ。

 

 

 

Key

 

 

頭を空っぽにするためのAM6:40。

 

会いたい人が普段より多い。というか、元々会いたかったのに会ってなかった人たちと会うことになって、いつもよりは好転している感じ。

 

秘密は多い方が楽しい。でもそれはある特定の人と、ある特定の関係を築いている場合による。2人の関係が2人にしか分からない理由で一生続く。こんな堪らないことは、他にはそうそうない。言わなきゃよかったって思うことほど切ないものも、そうそうないはず。

 

考えてばかりじゃ駄目だ。そう思わされるようになって数日。頭の中は自分が思っていたよりも絡まって、捻れていたことが分かる。誰も期待なんてしてない。私は冷静に、熱を燃やし続ければいいだけなんだ。限りなく、静かな熱のままで。

 

行動しか自信にならない。自信なんていらないけど、好奇心を支えてくれるのは、やっぱり少しの自信なんだと思う。「出来る」じゃなくて、「大丈夫」と思える程度の、自信。

 

朝だよ。これからもまだまだ続いていく、何もかも。

 

 

 

「ハッピーバースデイ、好きだよ」

 

 

2017年11月22日 仕事でズタボロにされて豪雨の中帰宅 泣き腫らした目にカラコン突っ込んでアイシャドウ塗ってまた豪雨の中に飛び出した 一杯目の生 二杯目のジンバック 三杯目の梅酒ロック そしてまたジンバック ジンってさ、おっさんの頭みたいな味するじゃんって笑われて お会計では財布出さなかったけど 端数だけは出させてって 外はまだ豪雨 壊れた傘を担いで二次会 一杯のカルーア 適当にチーズとか頼んで 愚痴聞いたり愚痴言ったり 日付が変わって 本当のおめでとうだねって笑ってた カーテンが開いて 花火のついたプレート 店員の「おめでとう御座います」 口元を手で隠した 鞄の中から出てきた薄いピンクの袋 袋の中から出てきた薄いピンクのテディベア キザな人が好きな私に いつか大きいの貰ってねって笑った 繊細なカード 器用な図書カード 雨は少しだけ弱まって 乗り込んだタクシー 二千円で足りたかな 足りなかったらごめんね ていうかしてもらってばっかで こんなんじゃ足りないよね ごめんね でも、ありがとう

 

 

 

 

 

「日付変わる頃はまだスタジオだからさ」って笑った 「いーよ電話ありがとね、もっかい言って」って甘えた

 

「ハッピーバースデイ、好きだよ」

 

 

 

月とドーナツの話

 

 

『初めて会った日に私はもう勝った気でいた。何に?と聞かれたら悩んでしまう。過去の私を馬鹿にした人たちに?最低だった元彼に?それとも、私を嫌い続けた私自身に?

 

どれも正解だ。つまりは、これまでの全ての悲しみ、辛さ、愚かさ、闇みたいなモノたちから、全て、本当に全てから、許されたような気がした。

 

ああ、許されたんだ。

 

真夜中1時、車から降りた友達が「みて!」と空を指さした。月のまわりに、ドーナツみたいな光。わあ、なんて声を漏らして、空を見上げる私の右頬に、視線が刺さるのが分かった。

 

ああ、許されたんだ、と思った。』